重要だが緊急ではないこと
著者: Alex Miller個人の生産性に関する名著、スティーブン・コヴィーの“The 7 Habits of HighlyEffective People”(和書『7 つの習慣』)では、縦軸を重要度、横軸を緊急度としてアクティビティを分類しています。これには4 つの組み合わせがあります。
- 重要でかつ緊急であること:ヴェロキラプトル†の襲撃。
- 重要だが緊急ではないこと:今後の製品戦略の準備、製品上問題のある部分の改良。
- 重要ではないが緊急であること:砂糖を借りようと電話をかけてくるお隣さん。
- 重要でも緊急でもないこと:YouTube、Web サーフィン。
それでは最大限に効率を上げる方法について調べていきましょう。
最初に、重要でも緊急でもないタスク(4)(「サボること」に分類しても構いません)について考えましょう。これらのアクティビティのほとんどは、単純に落としてしまって構いません。その名の通り、重要ではなく(なぜやるのですか?)、緊急でもありません(だから、きっと待てます)。もし4 番目に分類されるアクティビティがあなたの会社で必須とされているなら、どうしてやる必要があるのか上司に問うべきです。賢明なマネジャーであれば、人に重要でない作業をさせません。
重要ではないが緊急であるアクティビティ(3)も削減するよう努力すべきです。ひとつのテクニックは、その発生源に対して、あなたの自由なタイミングで処理できるよう頼むことです。あるいは、邪魔されないように環境を変えることです。電話やメールは通常、その重要度によらず緊急なものとして扱われます。ボイスメールやメールフィルターを使うことによって緊急度を下げましょう。
重要でかつ緊急であるアクティビティ(1)は通常、発生時に処理しなくてはなりません。しかし、これが発生する原因を解消するための仕組み作り(リスク防止)に取り組むべきです。例えば、もしバグが稼働中のシステムにエラーを引き起こす原因となっているなら、あなたはバグの原因を分析して、バグが二度と発生しないよう品質管理すべきです。重要でかつ緊急であるアクティビティを削減する一番の方法は、それが発生する根本原因を解決するためのフィードバックループを設けることです。
重要だが緊急ではないアクティビティ(2)は、あなたの仕事の中で最も重要なものです。これこそが、あなたの知識労働が価値を生み出すところです。もしこれらのアクティビティのうち25% 以上を完了できれば、上司は給料を上げてくれるはずです。
あなたはプロジェクト・マネジャーとして、重要だが緊急ではないアクティビティにチーム全体の作業を集中させることのできる唯一の立場にいます。意味のないタスク(4)や、ほかのチームからの緊急だが重要ではない要求(3)を減らすことがあなたの仕事なのです。マネジャーとして、あなたはこうした要求に「ノー」と言う権限があります。自分でやるか、代わりにやる人を雇うか、さもなければ、単に「ノー」と言いましょう。
チームは重要でかつ緊急であるアクティビティ(1)を無視することはできませんが、もしチームが問題の消火活動にすべての時間を費やしているなら、あなたは火事の原因になっている問題を修正する必要があります。すぐには効果が見えないかもしれませんが、時間がたつにつれ、徐々にチームはプロジェクトの成功を左右する、重要だが緊急ではないアクティビティに時間をかけられるようになるでしょう。