分散したプロジェクトにおける積極的なコミュニケーション

分散したプロジェクトではチームメンバーが同じ場所にいない(物理的に一緒にいない)ため、独特の課題を抱えています。以下のような問題がプロジェクトの成功の妨げになるでしょう。

  • 地理的に分散したチーム間の信頼が欠如していること。
  • コミュニケーションに相当の時間を要すること。
  • 文化の違いのため「ひとつのチーム」という意識が育たないこと。
  • 全体ミーティングにチームメンバーが参加できないこと。
  • プロジェクトチームとしての一体感が欠如していること。離れた場所にいるチームメンバーは異なる言語を話していたり、異なるプラクティスを実践しているかもしれません。

分散したプロジェクトをファシリテートするプロジェクト・マネジャーにとって、こうした障害は悪夢になります。もし分散したプロジェクトのマネジメントを任されたら、コミュニケーションに関するリストに以下を加えておくべきです。

  • 地理的に分散したチーム間で、重なる時間を見つけて明記しておきましょう(夏時間のことを忘れてはいけません)。
  • チームメンバー全員のインスタントメッセージのアドレス(および、メッセージが届くのに最も都合のよい時間)を公開しましょう。
  • 重要なステークホルダーが電話会議を行うための手段(Web や電話)を知っているか確認しましょう。
  • 各チームの休暇情報を集めて、共通カレンダーで共有しましょう。
  • 地理的に分散したチーム間で、毎日のミーティングの予定を公開しましょう。スタンドアップミーティングは座ってやるミーティングよりもすぐれています。だれも長時間立っていたくはないので、出席者はみんな集中します。
  • チームメンバーの名前と顔写真を公開しましょう。重要な役割についてだれがバックアップの窓口になるのか確認しておきましょう。
  • プロジェクトの中間生成物(ドキュメント、レポート、テンプレートなど)をチーム間で共有するために、共通の場所を用意しましょう。

分散したチーム間のコミュニケーションを促進するためには、コミュニケーション戦略の強化に加えて、設備上の問題も解決する必要があります。

  • すべての場所に高品質のスピーカーフォンを購入しましょう。電話会議のためにチーム間に安定した電話回線を保証することは、仲間意識を作るのに非常に役立ちます。
  • 大きなテーブルのある広々とした部屋に電話を置きましょう。みんながゆったりと座れるように、また、普段とは違う時間のミーティングに参加する人に食事を提供することがあるかもしれないためです。ホワイトボードも用意しておきましょう。そうすれば、電話会議中にすばやくメモをとって、部屋にいる全員で確認することができます。
  • 立ち上げフェーズやQAプロセスなどのために、チームメンバー数名がほかのチームのところへ出張できるよう予算を確保しておきましょう。
  • プロジェクトダッシュボードを作って(何らかのコラボレーションツールを使って)、問題をやりとりできるようにしましょう。オンラインツールを使ったり、写真共有技術を使うなどして、ダッシュボードのイメージをチーム全体で共有しましょう。
  • プロジェクトの全体目標とターゲットを、在宅勤務者を含む全員が見られる共通の場所に公開しましょう。
  • ビジネススポンサーによるプレゼンテーションを設定して、すべての場所にいる重要なチームメンバーにプレゼンテーションに参加するよう求めましょう。

仮想的に分散したチームも増えてきています。革新的なコミュニケーションテクニックを駆使することで、あなたは成功のチャンスを高めることができるでしょう。