サイクルで働く
著者: James Leigh私たちの身体は自然のサイクルに満ちており、その生産性に違いはありません。人間の脳は同時に数時間以上、1つの問題に集中することはできません。理想的な勤務時間は、90~180分ごとに休憩して、身体が再び集中するための時間を確保することです。生産性は90~120分経つと低下してきます。再び生産性を高めるには、脳に焦点を切り替えさせる必要があります。
最も効果的なソフトウェアプロジェクトは、開発者が精神的に豊かであることを保証した環境で作られます。しかし、開発者の生産性に寄与することの大部分は、プロジェクト・マネジャーには制御不能なものです。開発者が適切な食事を摂っているか、夜十分睡眠がとれているか、あなたは保証することができません。しかし、頻繁に休憩を促し、栄養指導の機会を提供することで、日中、開発者の生産性が低下しないよう手助けすることなら、あなたにもできるでしょう。開発者は胃袋で動く、という古いことわざは本当なのです。
また研究によると、プロジェクトは複数のイテレーションに分割すると成功しやすいそうです。目標設定、優先順位付け、フィードバック、リリースを含んだサブプロジェクトを毎週、毎月作ることで、ソフトウェアのバグは削減され、開発者の満足感は高まります。仕事を小さなイテレーションに分割すると、進捗状況を追跡でき、よい結果を知らせる機会も生まれます。またチームの全員に、自分自身と向かい合い、お互いにフィードバックし合い、コミュニケーションを改善する機会を与えてくれます。
それぞれのサイクルには、計画ステージ、行動ステージ、完了ステージ、報酬ステージを入れておくべきです。アクションアイテムを始める前に、なぜ、いつ、どのように、何を、誰が、といった質問を自分自身あるいはチームに問いかけましょう。なぜこれをやっているのですか?
いつ完了する予定ですか?
どのようにやるつもりですか?
何を達成しようとしているのですか?
チームのだれがそのアイテムに責任を持つのですか?
適切なコミュニケーションと理解があれば、行動ステージは効果的かつ生産的になり、プロジェクト全体の成功に寄与します。
タスクやアクションアイテムが完了したら、外部からのフィードバックを得ましょう。もしチームメンバーの1人か2人が仕事を完了したのなら、ほかのチームメンバーにそれをレビューさせましょう(ピアレビュー)。もしチーム全体が仕事を完了したのなら、ほかのステークホルダー(できればエンドユーザー)からフィードバックを得ましょう。サイクルの最後は報酬ステージです。これはチームや個人の健康維持のために重要です。バッテリーを使った後にチャージしなくてはならないのと同様、脳や身体も感謝の言葉や仕事の承認によって報われなくてはなりません。
あなたはプロジェクト・マネジャーとして、プロジェクトサイクルを通して、全員が計画を理解し、必要とするフィードバックが得られるよう、チームを導かなくてはなりません。さらに、ひとりひとりが計画、実行、完了、報酬というサイクルにしたがわなくてはなりません。マネジャーは、チームメンバー全員が生産性をベストな状態でキープするのに必要な配慮、情報、時間が得られるよう保証しなくてはなりません。そうすることで初めて、あなたのチームは全能力をあげて機能することが保証できるのです。