コミュニケーションが重要
著者: Gennady Mironovどんな業界のプロジェクト・マネジャーにとっても一番大切な知識は、すぐれたコミュニケーターになる方法です。名前のあとに、いろいろな資格や肩書きのリストが並んでいる人もいるでしょうが、ほかの人とコラボレーションする方法に関する基本的知識がなければ、プロジェクトという仕事をうまく成し遂げることはできません。
新しいプロジェクトを始めるとき、すぐれたプロジェクト・マネジャーであればステークホルダー全員と直接会うはずです。それがクライアントであれば、なおさらです。プロジェクト・マネジャーはまず自己紹介をして、プロジェクトの目標と重大な懸念について洗いざらい話すべきです。ステークホルダーやクライアント、さらにはプロジェクトチームが国外にいるのでない限り、たとえ不景気であったとしても、直接顔を合わせるのは大きな問題ではないはずです。
「百聞は一見にしかず」という言葉があります。数百万ドル規模のプロジェクトにいくつも取り組んできた私のマネジメント経験から、クライアントを直接訪問すれば、問題は半日で簡単に片付けられることを学びました。
あるプロジェクトで、請負業者が必要な無線基地局を提供できないためにスケジュールが遅れるという問題が起こりました。請負業者がこの部分を下請け業者にアウトソースしており、その下請け業者の電力供給システムが遅れたことが原因でした。私は何週間もあちこちに電話をかけ、数え切れない程のメールを送りましたが、問題は解決しませんでした。
最終的に、私は請負業者に個人的に会いに行き、問題の詳細を説明して、取り得る解決策を提案しました。こうしてようやく、私たちは必要な機材を手に入れることができたのです。たいていの場合、顧客はあなたの味方です。あなたが快く耳を傾けて、妥当な解決策を見つけるのを手伝えば、いつもあなたをサポートしてくれるのです。
別のプロジェクトでは、非常に短期のスケジュールを要求してきたクライアントがいました。彼らは年末までにその機材の製品サイクルを短縮するよう求めてきたのです。ちょうどできるだけたくさんの受注をこなそうと、全工場が100% の能力で作業していたときでした。私たちはこれを受け入れることはできませんでした。というのも、通常のプロジェクト期間の半分しか与えられなかったためです。
このときもまた、私は会社とクライアントとベンダーによる三者ミーティングを開きました。私たちは正直に、最短で最も現実的なスケジュールを提案し、なぜこれ以上短縮できないかを詳しく説明しました。プロジェクトに必要な品数を把握するために特別に用意してあった在庫を使い尽くしたあと、私たちはある程度のリスクを負って、注文確約なしに顧客の注文を受け入れました。
結局、私たちはプロジェクトをうまく仕上げることができました。しかも非常に厳しいスケジュールの2 日も前にです。クライアントはとても喜んで、年明け早々、また別の200 万ドル規模のプロジェクトを提示してくれました。私たちはスケジュール、スコープ、予算、品質要求を満たすことができました。しかもこの場合には、プロジェクトの成果として、組織に特別な利益までもたらすことができました。
ソフトウェアプロジェクトがうまくいくかは、人と人とのコミュニケーションにかかっているのです。